朝6時前に家を出て、眠くて不愉快な気分なまま成田空港に7時30分頃に到着。今回はシンガポール航空を利用するので、第1ターミナルだった。9時頃には搭乗。シンガポールまで6時間半のフライトだったけれど、徹夜のお陰でほぼずっと眠りに落ちていた。起きている間は、一生懸命「地球の歩き方」シンガポール編に目を通す。以前訪ねたことはあるものの、この日の朝このガイドブックを空港で買ったばかりで、シンガポールの情報をほぼ全く把握していなかった。宿泊場所はおろか、空港到着後どうしたらいいのかもよく分かっていなかったのだ。そうこうしている間に、シンガポール航空のサービスの快適さもあって気が付けばシンガポール上空に達していた。
シンガポールには現地時間16時頃(時差:日本時間-1時間)に到着。すぐに市内を循環する電車MRTに乗り込み、今回滞在することに決定した「HOTEL DRAGON」のあるチャイナタウンを目指した。エコノミーなホテルで料金は55SIN$(1SIN$=65円)、立地が非常によかったのでこのホテルに決めた。
ホテルに到着したら既に17時を回っていたので、少し休憩しただけで慌てて出掛けることにした。まずはホテルがあるチャイナタウンの散策。旧正月前の土曜日、夕方、ということもあってか、人出が多かった。通りにはフルーツ、CD、衣料品、食料品、雑貨と多種多様な商品を扱う屋台が並び、威勢の良い声で売りさばかれている。僕もついついココナッツのジュースを飲んでしまう。正直、この頃ようやく自分が旅をしている、異国の地にいるという気分になり始めた。昨日までドタバタしていて心の余裕がなかったのか、それとも準備に時間を掛けなかったので気分が盛り上がることがなかったのか、いまいち旅の熱狂、興奮に襲われていなかったのだけれど、このチャイナタウンの喧騒に包まれる内に、否が応でも心臓は高鳴っていった。この雑踏から放たれるエネルギーは、渋谷や新宿で感じられるものとは大分違う、東南アジア特有のものだ。少しハイになって歩いている内に、チャイナタウンの外れにあるホーカーズ(屋台の集合体のシンガポールでの呼び名)、「マックスウェル・フードセンター」に到着。この中に店を構える「天天海南鶏飯」のチキンライスが絶品であるとガイドブックに書いてあったので、トライしてみようと思っていたのだ。現地の人が行列を作っていたので、待つこと10分、ようやくありつくことができた。鶏のダシの味が染み込んだライスの上に、茹でたチキンをぶつ切りにして載せ、チリソースをかけながら食べる一品。なかなか美味しかった。そもそもシンガポールに1泊することにしたのは、飛行機の連絡の関係もあったけれど、こういったグルメを堪能したかったからだ。
食事終了後、チャイナタウン近辺にある寺院何ヶ所かを横目に見ながら、高層ビル街を通り抜けて、シンガポール観光の中心地の1つであるシティ・ホール周辺及びマリーナ・エリアに向かった。シンガポール川がマリーナ・ベイに流れ込むウォーターフロントの一帯で、一般的に、シンガポールという国でイメージするエリアだ。この周辺には、近代シンガポールの父と呼ばれているイギリス人ラッフルズの像、超一流ホテルであるラッフルズホテル、マーライオン等々いわゆる観光名所が揃っているけれども、それらと併せて目に付くのが、バー、パブだ。オープンテラス形式になっていて、スポーツチャンネルやミュージックチャンネルを流す、まさに欧米人ウケしそうな形態。実際に19時過ぎ頃にはほろ酔い気分で顔が赤くなった白人たちでどの店も溢れかえっていた。
僕は東南アジアではあまりこういった場所で過ごしたくないと思っているので、マーライオンや、その対岸にあるエスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ、オリエンタルホテルがライトアップされている光景を一通り眺め終えると、また別の大きなホーカーズ「ラオ・パ・サ・フェスティバル・マーケット」に足を向けた。このホーカーズの横の通りで、サテー(マレー風焼き鳥)の屋台が何軒も出ていると聞いて、それを目指したのだった。通りには10軒以上の屋台が出ていただろうか、ウロウロとしているとすぐに一軒に呼び止められたので、その店に決めた。10本セットをオーダー、チキン4本、マトン3本、ビーフ3本。少し甘めのピーナッツソースにつけて食べるのがマレー風。タレがとても良く染み込んでいて、美味しかった。ここで、本能的に生ビールもオーダー。やっぱりどの国に行っても、焼き物とビールの相性は最高だ!かなりご機嫌になった。
気分良く帰り道に着いたけれども、ホテル直前で、チャイナタウンの喧騒にまた巻き込まれた。夕方よりも人出は遥かに多くなっている。人を押しのけなければ前に進むことはできない。旧正月関連のイベントがかなり多く催されているようで、赤、黄、金の3色に彩られたけばけばしい新年の祝いの品々が数多く目に入った。きっと日本でいう、門松、しめ縄、鏡餅、そういった物諸々が売られていたのだろうと思う。掻き分け掻き分け進んでいると、面白い店を一軒発見した。飾り文字を書いて売っている店だ。僕も「直毅」で飾り文字を作ってもらった。とてもおめでたい「直毅」が5分程で出来上り。会社のPCにでも貼っておこうかな。
ホテルに戻ったのは日付が変わって24時30分頃。歩き続けて完全にくたびれて、シャワーを浴びるとすぐに眠りに落ちた。
この日、かなり駆け足でシンガポールを回ったけれど、この国のダイナミズムを感じることができたと思う。シンガポールは、潜在的成長力に代表されるような将来性を計る指標でアジアでも最上位に位置付けられることが多いけれど、その理由を何となく肌で感じ取った。都市、道路網は整然としており、交通渋滞も一切見られない。IT化が進んでいることも、様々な情報の表示形態を見れば一目瞭然だ。このようなシステマティックな一面を持ちつつも、一歩路地に入ったりマーケットを覗いてみると活気と熱気に溢れ、混沌とした雰囲気が感じられる。どのように形容したらいいのか分からないけれど、この合理性と非合理性のバランスを上手に保つことによって、日本では感じることができないエネルギーをこの国は備えているのだろうと思う。将来性がある国では未来に希望を持って人々が力強く生き、きっと社会に好循環をもたらしているのだろう。羨望の眼差しを向けざるをえない。
私、マーライオンってすごくでかいんだと思っていたのですが結構小さいんですよね。島に行けばでかいんでしたっけ?ともかく行った時は工事中とかでマーライオン自体移動されてて水も出ず、貧相だったのを覚えてます。笑
投稿情報: ひきだ | 2005-01-31 21:54
マーライオンって世界三大がっかりでしょ?僕もマーライオンと人魚の像(コペンハーゲン。)を見たけど小さい小さい。
投稿情報: buchi-tk | 2005-02-04 19:43